思いやり発信

ヒマワリの花

今年の夏は、猛暑日の日数で新記録更新をしたそうです。北日本の平均気温は平年より3度以上も上昇しました。地球環境が明らかに変わってしまったのですね。せかい戦争や、気候変動、驚くような犯罪。それでも、この地球で生きていかなければならないなら、私にできることは何だろうと考えます。そんな大それたことはできないけれど、日々の生活の中で、周りの方たちとほっこりできる時間を少しでも作れたらいいのかもしれません。

最近電車の優先席近くに乗っていて、若い(30歳前後かな)男性に席を譲っていただきました。足を怪我して松葉杖で通勤していた時以外、72歳にして初めての体験です。日ごろから元気が取り柄と思っていますので、席を譲ることはあっても譲られることはないのです。一瞬戸惑いました。私、年寄りに見えるようになったんだというショックと、気持ちの優しい男性への感謝と、複雑な思いにひきつった笑顔で「ありがとうございます」とお礼の言葉を述べつつ、腰を下ろしました。

普段は、優先席になんで若い人が堂々と座っているんだと、年寄独特の表情で眺めていた私ですが、年代関係なくいろんな人がいること、若くても体調が悪い時は座りたいよね、など、様々な思いが頭を駆け巡りました。善意を強制してはいけないし、人を非難するほど私は偉くない、ご好意は素直に受ける、などなど、短い時間に色々感じて、自然と笑顔になることができました。私が降りる駅に到着し、まだ目の前に立っているその若者に「ありがとうございました」と声をかけたところ、はにかんだような笑顔で会釈を返してくれました。

こんな小さなことでも、起きていることへの感謝を素直に表現できると、少しだけ幸せが訪れます。朝晩の通勤電車には、社会と人生にちょっぴり疲れたサラリーマンたちが大勢乗ってきます。ちょっと体が触れただけでも舌打ちをして払いのけようとされたり、一つの空席に椅子取りゲームのような争いが起きたりと、楽しいことは少ないのですが、小さな笑顔が広がっていけば、快適ではなくても不快ではない空間になります。

みんなでスマホとにらめっこではない、思いやり発信を重ねたらいいね、と思った出来事でした。