丹羽博士を偲ぶ

ずいぶんと暑かった夏が終わったと思ったら、
いきなり涼しくなってきました。

猛暑が理由なのか、
エネルギーの転換期だからなのか、
ここ数ヶ月訃報が続きます。

特に一番の衝撃は、
丹羽耕三博士ご逝去の報でした。

私にとっては、
恩師であるというだけでなく、
命の恩人であり人間として育てていただいた親のような、
もっと言えば神様のような存在です。

以前にも書きましたが、
丹羽博士に出会った頃はまだ自身の体力に過信していました。

先生のかばん持ちでよく地方に出張させていただきました。

カルテがたくさん入った重い荷物を持って
空港や駅を走らなければなりません。

博士は日頃からジョギングで鍛えていて足が速いので
ついていくのが大変なのです。

それに加えて、
いつも時間ギリギリで行動されますので、
お付きの者は常に走ることになります。

博士に唯一褒められて嬉しかったのは、
「あんたは、頭はともかく足が丈夫で力があるのがええ。わしの助手として合格!」
とお墨付きをいただけたことです。

元気なはずの私でしたが、
博士の元を訪れる多くの患者さんを、
私自身は何もできないくせに何とかしたいと思いあがった日々を過ごすうち、
自分自身が体調を崩し前がん状態になったのが見つかりました。

自分の分を超えて誰かのために何かしてあげようなどという考えは、
そもそも「メサイヤコンプレックス」というのだと、
ずいぶん後で知りました。

体に起きたトラブルは
博士によって救っていただきましたが、
精神面でも学ぶことがたくさんありました。

患者さんとは真摯に向き合うけれど、
最終的にはその方がどういう生き方を望んでいるのか優先して、
寄り添っていく。

今現在の私の考え方の基本は、
丹羽博士の背中が教えてくださったことです。

もうお会いすることの叶わなくなった丹羽博士。

失ったものの大きさに呆然とたたずむばかりでしたが、
とにもかくにも、
丹羽博士から学んだことを自ら実践しつつ次世代に伝えていくこと、
それが一番のご恩返しと思い、
行動するしかありません。

丹羽先生、もう天国で剛ちゃんと再会されましたか?
ゆっくり休んでくださいね。

そして、これからも見守っていてください。

今から13~14年程前の写真です。
時に厳しく、時にやさしい博士の笑顔。

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